GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)とは、EU(European Union:欧州連合)で制定、施行されているデータ保護規則です。

 

GDPRを無視したデータ収集を続けることは、コンプライアンス違反、プライバシー侵害、企業の信頼性低下にも直結する恐れがあります。そのため、Webサイトを公開している企業は、GDPRを正しく理解し、そのルールを遵守した運用が必要です。

一方で、GDPRを詳しく把握していないという方も多いのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では、Webサイトを運営する企業にとってGDPRとはどのようなものかを解説し、企業として考えられる対応を紹介します。

GDPRとは

gdpr-taiou-2

w728xh90_1009_A

 

日本においては、2022年4月に施行された改正個人情報保護法により、個人情報(データ)とプライバシーの保護の範囲や罰則規定が社会の実態に即して強化されましたが、それに先駆けて、EU圏では、GDPRが2018年5月25日に施行されています。

 

GDPRにより、EUにおける個人情報(データ)と基本的人権を保護するための罰則を伴う厳格なルールが制定され、たとえ、日本企業であっても、EU圏の企業と取引するケースやEU圏の市民のデータを取扱う場合、その適用を受けることになりました。

GDPRの概要

EU域内での個人情報(データ)の保護と処理に関する法規を定めたGDPRでは、個人のプライバシー保護のため、データの取扱いに関する企業や組織に対する責任を明確にしており、違反時には厳罰および制裁金が科されることがあります。

Webサイトにおいては、Cookie以外にも、IPアドレス、位置情報など、個の特定が可能なデータは「個人データ」と定義され、法を遵守した適切な管理が求められています。

GDPRの適用範囲

EU域内の企業や組織、またはEU市民の個人情報(データ)を処理する企業や組織に適用されます。地理的にEU域外にある日本企業においても、EU市民のデータを処理する場合は対象となるため、注意が必要です。

具体的には、下記の条件に該当する場合は、GDPRの対象となります。

 

1.EU域に拠点が存在しており、個人データを利用する

2.EU域に対してサービスを提供する

3.EU域のユーザのデータを収集・分析する

 

日本企業であってもGDPRへの対応は重要であると言えます。

詳細は、下記の参考資料をご確認下さい。

【参考】:規則(EU)2016/679(一般データ保護規則)

GDPRに対して日本企業として必要な対応とは?

実際にGDPRに対応するためにはどのようなことが必要なのでしょうか。

ここでは、GDPRに対応する際のポイントを紹介します。

GDPRの影響を受ける自社サービスの把握

まず、自社が提供しているサービスでGDPRが適用されるものがあるかを確認します。

ここで大切なのは、現状のみならず、中期的に対象となりえる事業やサービスはないか、経営戦略的な観点からも検討することです。

 

対応が必要なサービスやスコープが明確になったら、具体的にどのような対策が必要なのかを運用、システム、ポリシー、それぞれの面で明確にしていきましょう。

運用ルールやシステム構成の見直し

対応範囲を明確にした上で、データの取扱いに関する運用ルールを整備し、GDPRに準拠した手順・プロセスを構築します。手順やプロセスは、定期的に見直し、改善を行うことが大切です。

GDPRに対応するための自社プライバシーポリシーの更新

GDPRに準拠した社内ルールやプライバシーポリシーを制定し、更新します。

また、法律の改定に合わせて、こちらも定期的に見直しを行います。

 

Webサイトの種類、提供しているコンテンツ、Webへのアクセスを想定している地域や言語などの前提により、GDPRに対応するための人的コストやシステム、これらの検討に必要となるナレッジやスキルは大きく変動するでしょう。

 

経験者の少ない新しい領域の取組みであるため、自社リソースのみでの対応が困難である場合も多いと思います。外部サービスの活用も視野に入れましょう。

GDPR対応のポイントを以下の記事で詳解しています。合わせてご参考下さい。

【関連記事】:日本企業はGDPRに対応する必要はある?いま実施すべき対策を紹介

GDPRに対応したサービスを活用するメリット

gdpr-1stpartycookie-1

GDPRへの対応を検討したいが何から手を付けていいのか見当がつかないなど、自社での実現が難しい場合は、GDPRに対応した外部サービスを活用することも有効です。

ここでは、GDPRに対応したサービスを活用するメリットを紹介します。

国外の法的な専門知識が不要

GDPRは日本国外の規則であり、国内の法令に準拠するよりも内容を正しく、タイムリーに把握するための負担は、より大きくなると考えられます。

 

近年では、GDPRに対応するためのコンサルティングを提供する法律事務所の専門的なサービスなども増えてきていますが、GDPRに対応済みの外部サービスを活用することで、専門的な知識がなくてもGDPRに準拠したシステムや運用を構築することができます。

 

また、サービスにもよりますが、適切なデータ管理や他社による事例、関連する有益な情報をサポートから得られることも期待できます。

法改正にまつわるシステム改修などの運用負荷を削減

GDPRを正しく理解し、規則に沿ったシステムを構築し、適切に運用し続けるためには、継続的な予算の確保や法律の専門知識のキャッチアップが必須となるため、これまでのシステムの構築・運用と比較して、コストやリソースの面でも、より多くの負荷がかかると言えます。

 

要件に合った外部サービスを比較検討し、そのサービスを適切に活用することで、法改正にまつわるシステムの追加改修の対応など、主に運用面での負荷削減が期待できます。

今後の環境変化にサービス側で対応できる可能性

GDPRや日本の個人情報保護法、電気通信事業法、社会情勢の変化など、今後もさらなる規制の強化や法改正等、トレンドの変化が起こり得るでしょう。外部サービスの利用には、これらの変化に自らキャッチアップする負荷やコストをサービス側に任せられるメリットがあります。

 

GDPRに対応したサービスを活用することで業務負荷を削減し、貴重な人的リソースを自社の注力事業に優先的に配分することで、事業を成長軌道にのせながら、GDPR対応を構築し、早期に運用を定着させることで、コンプライアンスを重視する企業の姿勢をアピールする効果もあるでしょう。

利用者のプライバシー保護と企業の情報収集を両立させよう

GDPRや個人情報保護法で定められている規則により、これまで以上にユーザの情報収集は難しくなるでしょう。しかし、ユーザのプライバシーを保護し、データを正しく取扱うことは、Webサイトを公開している企業の責務であるとも言えます。刻々と変化する状況に適切に対処するには、国外の法律・規則の専門知識も要することから、対応に苦慮している方も多いのではないでしょうか。

 

そのような課題においては、社内リソースを活用した対策の実行以外にも、状況に見合った、要件を満たす外部サービスの活用が有効な選択肢のひとつになると考えられます。

 

RTmetricsは、標準機能でGDPRに準拠したシステムの構築・運用が実現できるだけでなく、Webサイトの規模や設置場所、現状のシステム構成に合わせた柔軟な実装が可能なアクセス解析ソフトウェアです。

 

ぜひご検討下さい。

 

w728xh90_1009_B